水中モーター分離型ではない外部式フィルターのモーターヘッドはなぜ機器の上にあるのだろうか。
また、なぜ汲み上げ型の構造になっているのだろうか。
外部式フィルターはサイフォンで水槽からろ過層へ水を落とし、ろ材を通過した水面部分からポンプで水を汲み上げるようになっている。ポンプと書いたが実態は分離型の水中モーターと同じものである。
この構造なので起動時には装置内が完全に水で満たされている必要がある。稼動時にも安定して動かすためにはモーターが十分に水没していなくてはならない。
起動を助けるために手動のポンプ機構をつけたりスターターで水を吸い出したりと面倒だ。また安定稼働のためにモーター部を水面よりも十分下にしなければならず、水槽の横に置くことのできる機種は限られる。
モーターを機器の下につけて、モーターからの水がろ材を通って水槽に戻るようにすればこれらの問題は解決する。早い話が分離型のフィルターの水中モーターを水槽内ではなく本体内、ろ過槽の下部に入れてしまう構造だ。
これならば起動時には装置の下部だけ、モーターが水没するだけの水が入っていれば良い。稼働中も装置下部が水面下ならいいので横置きも容易だ。ろ材の目詰まりによる流量低下時にもモーターがエア噛みする可能性は非常に低く火災などの事故が起こりにくいし静音性にも優れている。
マイナス面としてはろ過前の水がモーターを通るので、異物によるモーターの破損が起きやすい。ただこれは分離型機器や外掛けフィルタ、上部ろ過機も同条件だ。
ろ過槽の高さの分だけ揚程が増えることもマイナスだ。更にろ材による抵抗も増えるので水槽の下に置く縦置きの条件は悪くなるだろう。ただし先に書いたように水が流れなくなってもモーターが空転することはないので事故には繋がりにくい。
どう考えてもモーターヘッドが下にある押上式の方が上にある組み上げ式よりもいいように思えるんだが、なぜそういう製品はないのだろう?